努力と無理 (1)
モラトリアム 私は自分を、物事をあまり深く考えずに大人になった人間なのだと思っています。 物心がついた頃から、父親には会社を継ぐことを刷り込まれ続けましたが、子どもが考える将来はもっと夢のあるものでした。小学校の作文でお約束のテーマ、「将来の夢」。私の夢は、ある時は探検家、ある時は探偵と、テレビのドラマなどに触発されてコロコロ変わりました。 中学、高校と進むにつれ、小学校の作文で書いた将来の夢と現実は違うものだと気づくも、では、現実の世界で、自分はどのような職業に就きたいのかとの問に対する答えは持ち合わせていませんでした。 私は一浪して大学に進みました。わざわざ浪人してでも大学に行きたかったの…